知的障害の子とボドゲを遊んでみる 187

ミスター(息子)のステータス
9歳(小学校四年)
文字…大分漢字は読める、おまけに失敗を恐れない。
計数…30くらいまでならぱっと可能。なんとなくかけ算も。量目を見切るのはまだ苦手。
計算…一桁なら加減の暗算できるように。繰り上がり計算は相変わらず苦手。
会話…能動的に喋るようにはなっている。接続詞と敬語苦手。

ひさびさの単独知ボドな気がするので心機一転というか、
あの未知の領域を踏破する感覚をまた味わってもらいたくて、新しいボドゲを出してみる事に。
もちろんよりミスターに刺さるという基準は守るけど。

●アウフアクセ-1

手札の注文に沿ってトラックで街から街まで荷物を運んでお金を稼ぐゲーム。
本来のルールでは手札は初期3枚、その後は場に出ている注文書を競ることで
所持金を減らすリスクと荷運びによる利ざやで稼いでいくゲーム。
荷運びそのものはすごろく形式。原則サイコロの出目の通りに進み、目的地以外に到達した場合は必ず出目の数字分進む必要があるが、
6の目が出たた場合のみ途中停車がおっけーだったり、1が出たら進路上に工事中看板を置いて相手の行動をカットできたり、
ちょっとしたサイコロアクションがあったりもする。でも多分主眼は競りに置かれている気がする。
当然ミスターは競りも駆け引きも無縁の人なので、当家のルールとして競りはなし、
注文書達成時に山の上から引いていく、という変則ルールでやった。単純なすごろくに極めて近い。
出目の話と追加トレーラー(任意のタイミングで追加の牽引社を購入することで一度にたくさん荷物を運ぶことができる)ルールはそのまま採用。

★観察できた内容
ゲームを始めてからまず視認性も扱いやすさも悪そうな紙幣は止め。
ポーカーチップを使うことにした。これによってミスターの中ではコレクション制もあがったらしい。
丸い形のほうがお金っぽいというのも功を奏したかも。
ミスター嬉々として荷物を運び、稼いだお金で追加トレーラーを買ったわけだが、
ルール上荷物は追加トレーラーから積載せねばならないということと、
競りをなくしてしまったせいで一度にたくさん荷物を運ぶメリットが薄れてしまったことに不服だった模様。
「買わなければよかった」とこぼしていた。
ここで重要なのは「しなければよかった」と明確に言ったことだと思っていて、
およそこれが初めて彼がプレイングに対して反省した最初の言葉だ。
ここ最近の知ボドではミスターが勝利するのが当たり前になっていて、基本的に発言はドヤ寄りだったのだけど、
自分を見つめ直すという行動が取れたというのは本当に大きな変化だ。
何があったのか、心境の変化が気になる。
もう一つ、これも大きな変化を感じた部分で、明らかに暗算のレベルが上がっている。
今回は18,900点でミスターの勝利だったのだが、5,000×3枚、1,000×3枚、500、100×4枚を実にスムーズに数えてくれた。
さすがに5,000が10,000になる繰り上がりはちょっと時間が掛かってしまったが、
とてもとても大きな進歩だと思う。あとかけ算の素養がある。猛烈に足し算が速くなっただけかもしれんが、
それにしても同じ数字を束ねる能力が格段に上がっていると思う。
出来ない出来ないと思い込んでいたものがいつの間にかできるようになっている。
親としてこれほど喜ばしいこともそうそうないものだ。

●ホットショット-1

山岳消防隊が協力して山火事を消すゲーム。
協力ゲームとはいえども、明らかに今までやってきたゲーム達よりは2~3段階難易度が上がるゲームになる。
購入自体はずっと前だし、ミスターに刺さると思って購入したゲームではあったけども、
いつか、もう少し、せめて街コロが遊べるくらいの理解度が醸成できたら…とずっと機をうかがっていた一品。
とうとうこれをミスターに捧げる日、来たかという意味で感慨深かった。3年くらい待ってた気がする。
今回は2人戦なので本来4人用で使う4キャラを2人ずつ担当するということにした。
ゲームとしてやることは火事を消す…のはその通りなんだけど、
消し方については5つダイスを振り、それぞれに描いてあるマス目の道具を使って消火する…ということとなる。
ただし闇雲に使えばいいというわけでもなく、
消すべき山火事タイルにどの道具がいくつ必要か、については記載されている。
ダイスは6つ同時に振り、1個以上避ける(使用する)ことで振り直すことが出来る。
なので理論上はノルマ6に対してきちんと対応する6道具が揃うはずなのだが、
そこまで話がうまくいくはずもなく、大体4~5個の一致をうろうろすることになる。
サイコロが3つ一致なら一応成功扱いなのだが、実際に消化(炎トークンを減らす)できるのは4つ一致以上。
あとは防火柵を設置したり、追加の報酬タイル(もっと便利な道具)をいただけたりと一致に対するインセンティブは普通に高い。
というか6振りなら失敗するほうがむつかしいかもしれん。
各ボードタイルには炎に対する耐久度が設定されており、それ以上の炎トークンが設置された場合に
そのタイルは炎上してしまう、と同時に消防隊もダイスを1個失う、これが痛い。
あまりに痛いので今回はダイス消失ルールはさっぴいたけど。 

★観察できた内容
手番でやることは2歩動いて消火作業(=ダイス振り)を行い、炎上カードを引く。これだけだ。
なので実はやること自体はそこまでハードル高くない。
問題はダイス振りで残すダイスをどれにするか検討する必要があり、
無事報酬つき消化が出来た場合のメリットについての理解度がイマイチであり、
炎上カードがテキストまったくないので和訳を読む時間がかかる。
ダイスを使用するの部分がまず今までにないアクションだし、
振り直しというのも明文化されたルールでは初めてだし、
炎上カードの対訳はミスターの可読レベルをこえているし。といろいろ問題はあった。
炎上カードは拒否しようがないが、基本的に悪い事しか書いていない。
こういうのミスターはどうなんだろう、と思っていたが普通に受け入れてくれている。
炎上カードは失敗の範疇に入らないらしい。
と呑気に書いているが、失敗判定されたアクション(←ミスターのだぞよ)については目を背けるまたは二度とやらないまであるので、
気に入ってはくれているようだ、というかむしろ大好きっぽい。
そらそうだ、そのための消防ボードゲームだし。
このゲームの最高に厳しい部分として、タイル上限の炎トークンが配置された場合にタイルが焦土となり、
ダイスを一個減らすというルールがある。これを実施すると最善手しか打てなくなり、かつ大人がやってもかなり負けるという
協力ゲームとしては普通だけどゲームとしてはかなり難易度が高いものとなるのでここだけオミット。
無事消火できてホクホクなミスターであった。「またやりたい」を久しぶりに聞けた。

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