最後かもしれないだろ だから風化する前に全部話しておきたいんだ。
というわけで見に行ってきましたFFX歌舞伎。(https://ff10-kabuki.com)
以前誘われて風の谷のナウシカの歌舞伎(https://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/play/604/)を見に行って
いたく感動できたのが動機の半分、もう半分はFFXが好きすぎるというので、もう見に行かない理由が皆無だった。
感想は感想なんだけどネタバレを辞さぬ覚悟で、しかも書きたい風にしかかかないのでどういう論評になるかは想像がつかない。でも書く。
なお固有名詞などの説明はやったらキリが無いのでとくにやりませぬ。
FFX知らない人はまったくスルーしても良いかも知れないというノリで書く。
場所は有明IHIステージアラウンド東京。芝居小屋でみるかとおもってたらまさかの特設ステージだった。キャパも舞台も回転する円形劇場だった。
演舞場ではないのでイヤホンの貸出などはなし。あの観劇イヤホン結構ためになったんだけどなあ。
(演舞場では歌舞伎初心者向けにいろいろな場面についての解説をリアルタイムでやってくれるイヤホンの貸出がある)
パンフレットを買って着席。円形舞台のためか緞帳はなし。
10分くらいそのままワクワクしてたら、開幕。
いや幕は開かない、まずは23代オオアカ屋の挨拶からだった。面白いぞ。
歌舞伎におけるツケの説明と簡易アンケート。
全体の半分くらいがFFX未プレイだった模様。
うーん、歌舞伎がすごい。FFXて題材が二の次ってことだもんな。
オオアカ屋がおわったらザナルカンドにてが流れ、「最後かもしれないだろ だから全部話しておきたいんだ」
何度聞いたかわからんくらい聞いているのでここは耐えられる。
幻光虫はプロジェクションマッピングで表現されていた。うまし。
ナウシカは大筋で特に割愛されるところが無かったから今回はどうなるんだろう?とおもいながらみてたら
オープニングのザナルカンドから始まってびっくりしたし、なんならティーダのファンサービスの場面まで完全再現されてて腰を抜かした。そこまでやるか。
最初のブリッツからシンの襲来の場面、ここはいったん時間が止まって祈り子(バハムート)が「泣かないで」というところなんだけど
時間停止のところがきっちり止まって無くてちょっと残念。残念なんだけど尾上丑五郎君の「泣かないで」は見事だったと思う。
襲来イベントはコケラクズ役の人がきっちり動いてて面白かった。アーロンカッコイイ。中村獅童ということをまったく加味せずに格好良かった。
「これはお前の物語だ」
は作中屈指の好きなシーンなんだけどこちらはサクッといってしまって残念。以後味わうことになるんだけどVFXを加味するシーンは全体的にサクッといく。
シンに飲み込まれて、ビサイド島にたどり着く。パージエボン寺院とかリュックと会うシーンとかはまるっとカット。
まあ…いいか、なくても通る。
最初はビサイドオーラカの連中となんだけど、そこはルッツとガッタをオーラカに加えてしまうということでいろいろ短縮していた。
ゲーム中でもオーラカ化できるのでまあいいか。
当たり前だけど戦闘はない。ビサイド村に行ってそのまま寺院に入っていく。
「できました! わたし 召喚士になれました!」
ここで中村米吉さんのユウナ登場
この瞬間が一番びっくりした瞬間だったと言っても過言じゃないかも。
ユウナが普通にかわいい。なにそれそんなことってあるの?
およそ私が歌舞伎に驚いたまさしくはじめての瞬間と言って良いかもしれない。
中村米吉さんはどうやってあの声なんだ?ケチャんときは気がつけてなかっただけ?
ユウナと邂逅後はヴァルファーレを召喚。この召喚を見せないと未プレイ勢に「召喚て?」ってなるからかな。
ヴァルファーレ役の人もキチンといらっしゃった。
プレイしまくってるしFFにもよく通じているから召喚てのは俺の中ではこういう儀式ってのが出来上がってるんだけど、
未プレイファンタジーにも触れてない人にはどう映るのかな召喚。
と思ったのも、ドラゴンボールの「出でよ神龍」みたいな呼びかけがないの、FFには。
舞う動作があって、モンスターが飛んでくる。下手するとどこで召喚トリガーが押されたかわかんないじゃない?と。
なんか所定の動作をすると敵意のないモンスターがやってくる、という認識が素で得られたのかな?
なんにせよこういう固有の言葉、単語は節々に出てくるので、重要な単語については字幕出すとかでもよかったんじゃあないかな。
プログラムにもその辺触れたくだりはなかった。
(イヤホンがあればこの辺の補足も為されたとおもう)
召喚士の説明が終わって、すぐにユウナご一行の旅立ち。ザコとの先頭とかないからサクサク進む。
キーリカへの連絡船内の描写やジェクトシュートの話もきちんとやってくれていた。
ティーダがボールを蹴って黒子さんが袖まで運び、そこからはスクリーン使って円形劇場一周してもどる。
まあ本人のきりもみ回転とかを要求するのは無茶というものであろう。よくやってた。
連絡船でシンに襲われてキーリカで異界送り。和楽器版祈りの歌はより一層雰囲気が出ていて私は好き。
異界送りが盛り上がってくと海面がせり上がっていくのがゲーム中の演出だったが、
舞台上のエレベーターでそれを表現していた。幻光虫はやはりプロジェクションマッピング。
たしかここで一幕終了
エレベータなしのPVはこちら
二幕はルカからスタート、ブリッツボールの試合から。
そう、試合やった。きちんとスクリーンに得点板表示までやってた。
ワッカの見せ場ではあるので、きちんと優勝までやってた。
ゲーム内で優勝するのは大変だったんだがなあw(そして優勝しなくても恙なくゲームは進むしご褒美はトロフィーを見ることができるだけかな)
試合後にモンスターが沸いてシーモアが出てきてアニマを呼んで(アニマは人間じゃなくプロジェクションマッピングだった)の流れ、ようやくアーロン先生ご登場。
「わかってんのかよ 全部あんたのせいなんだ」
はPVにもなった名場面の一つなんだけど、尺の都合か?なんだかさくっと行ってしまった。
印象づける台詞の間(ま)は期待よりサクっと消化される場合が多かった気がする。印象だけど。
オリジナルにはないアーロンのルカ登場時での酒ぶっかけ(オーバーリミット技征伐のアレみたいな感じ)はとても格好良かった、獅童やるな。
FFXは基本的に徒歩旅なんだけど、徒歩旅を表現するのにこの劇場が本当に適している。
きちんとスクリーンに旅程が映るのも本編そのままで良かったのだが、残念ながらスピラ全体がどんな広さかわかんないと
なかなかイメージ掴みづらいんじゃあないかな、と思ってしまった。
実際のゲームではプレイヤーが歩き回るのでプレイ≒距離感になるので、それが映像(旅程ドット)として表示されるのは本当にいい演出なんだけど、
さすがに9時間しかない歌舞伎なんでさくさく旅が進んでしまって距離感がわかんなくなった。私が分からないのだから未プレイの人はもっと分からないんじゃあないかな。
こんな感じで「歩いたよー」が表現されてる。
実は重要なミヘン街道の旅行公司の場面。
最後まで筋しってると「ユウナの決意」が流れただけで泣きそうになるんです。
ユウナが決意を映像スフィアに残していく、お別れのメッセージをこそっと吹き込んでいってる。
その上でのティーダとの他愛のない雑談場面。くう。
旅行公司がおわったらミヘンセッションに場面が移る。
最初のワッカとシーモアの掛け合いがとてもとても面白かった。
普段の言葉でどうぞ、には行き着くんだけどそこまでの過程が面白かった。
あとはルッツをボコするのと機械の夢が砕かれるやつ。
言い方悪いけどルッツの死体があって安心した。(ゲームでルッツ死すルートだと惨劇ゆえに死体ないので)
幻光河にいってからリュック登場。本編ではわりと最初から出ているのでここでいきなりでるとちょっぴり違和感。
ここであんまり押しが強くなかったので、以後も微妙な感じのポジションになっちゃってる感じ。
やむを得ないところもあんのかなー。オープニングのパージエボン寺院をカットしたのでリュックと此処で親密度がアップするのも確かにおかしいんだけど、
今回の芝居では一番尺のワリ食ってるのが間違いなくリュック。
ニギヤカ担当だからこそ召喚士を止める役のギャップが光るんだけどなあ。
尚やっぱりというか尺の都合でシドとユウナの関係が明らかになってないので従姉妹という説明が入る。
全員揃ってからグアドサラム、シーモア様とユウナのイベントが主。
全体的には似てるかな?より可愛くみたいな線で攻めてたこの歌舞伎で、心底そっくりで腰を抜かしたのがトワメル=グワドw
ユウナレスカ様は出てきたけどゼイオン様は出てきたっけ?いや出てきたわ。映像でしかも正面姿がないからよくわかんなかったけどw
ここのシーモアとユウナのやりとり…ではなくシーモアとアーロンの掛け合いはとても好き。ゲーム中でもとても印象に残る場面だと思う。
異界。
ゲームやってたときはここらへんからティーダの一人語りを気にするようになってく。
歌舞伎という形式もあるんだろうけど、一人語りはない。
あー、最初から感じてた違和感ここだ。と気付いた瞬間だった。
FFXは中盤まではティーダのモノローグ、以後は使命を確信した仲間達の物語になるわけだけど、
モノローグという部分がすっぽりないんだ。
そしてシーモアジスカル絡みのドラマ開始。
今回の歌舞伎ではジェクトとティーダ、ユウナとブラスカ、シーモアとジスカルという「親子」を描くとのことだった。
というわけでオリジナルにはなかったジスカルとシーモアのドラマはこの辺から濃く描かれる。
というか描かないとなんでシーモアがあっちの方向へいっちまうのか意味不明だしな。
話もどって異界、ここらへんでようやくルールーの見せ場が出始める。
序盤のルールーの見せ場は目付役、が正しい言い方だと思うんだけどともかくキッツイツッコミか黒魔法で頑張る子なんだ。
バトルがないと本当に出番が…あとであるか、後半までガマンや。
異界から出てくるタイミングでジスカル死人が迷い出ずる。
ユウナが異界送りすることになるが、実は結構このあと異界送りのシーン出てくる、というか
絡んでくる重要人物が半分くらい死人なんで結構な頻度で異界送りを見ることができる。ぶっちゃけ本編より多いな。
グアドサラムを出るとまるっと雷平原カット。リュックが雷駄目ーな理由がなくなる。
言うてそんな本編にからんだ話じゃあないんだけど。ここは物足りない。本編に絡まないからこそのカットなんだけど。
マカラーニャ寺院にてシーモアと最初の対決を行い、やっつける。大体本編の流れと一緒。
湖の底でシンと邂逅し、前編終了。
前編後編の間には1時間弱の休憩時間を挟むんだけど、これがね、なんもないw
そもそもが17時40分という夕飯にはかなり早いだろうにという時間なのだけども、加えて会場付近にマジで飯屋がなさすぎてどうしようもなかった。
比較的本気でキッチンカーが命綱だった。新橋だったらいろいろ巡れたのになあ。
さて後編。
アルベドホームから開始。まあ砂漠のくだり長いしなー。
後編からは義太夫も出ていよいよ歌舞伎っぽくなっていく。
ここの一番の見せ場はもちろん召喚士の勤めの真相がわかる部分、ティーダがそれを認識してしまう部分なのだが…
残念ながらここの演出は急すぎている、という印象だった。
演劇的な要素が大きいからかな。ティーダが愕然となる部分が感じられなくて、そこが残念じゃった。
というかわりと説明に終始した感じだったのでこれが残った人いるんかな?と心配になってしまう。
ユウナを取り戻しにいくぞの話から舞台が展開、文字通り展開して飛空艇のコクピットに。
中村歌六さんのシド、最初違和感あったんだけど、徐々に慣れてきた。というかシド良いじゃん!てなってた。
コクピットの映像もなかなか雰囲気が出ていて良き。
ベベルに乗り込んで…のところはさすがにロープ滑走は辛すぎるのだろう、映像のみだった。
ユウナの裁判後はジェクトのスフィア映像。マカラーニャをカットしたからここでやるしかないんだろうな。
それはそうと若アーロンがやさぐれすぎててヒゲ有無以外の区別がつかねえw
FFX好きな理由の一つとしてジェクトブラスカアーロンの三人組が大好きってのが大きい。
世界を救おうとして結局救えなかった三人組。(一人は死んでから救ったわけだけど)
ジェクトを演じているのが鎌倉殿の13人で北条時政を演じた坂東彌十郎さん。
正直最初に出てきた時はまったく時政にしかみえなくて、ユウナの完成度に比べてどうなん?とすら思ってしまっていた。
彌十郎さんが悪い役者って言ってるわけじゃあなくて、基本的に人が良いのがにじみ出ちゃっててジェクトの悪人度が薄れてるんだよなーと思いながら見てた。
知ってるからそういう目線で見えるのであって、知らなければアーロンの「ジェクトはお前を愛していた」でとても納得がいってしまう話なんだろうな、とも。
ベベルに入ってからはわりと急展開脱出に関してはゲームにするわけにもいかんので、キノック老師が出してくれることになったようだ。
そして直後にシーモアに殺害されちゃう。
ここで本来戦闘…になる予定なんだけど、なかった。やっぱりシーモアと3回戦うのは演出的にもツライか。
マカラーニャ湖にもどり、ユウナとデートイベント。
湖はひな壇と奈落の登り降りで表現してる。
素敵かな が流れるんだけど、和楽器Verも案外合うな。これ歌ってる人だれなんや?
さすがに水の中は表現しきれないのでスモークスクリーンに映像だった。
ここで5幕終了。あとは終了まで一気見だ。
6幕はナギ平原から。そしてルールーの語りから。
見るまですっかり存在を忘れていたズーク先生登場。ギンネム様は覚えていたのにズーク先生忘れてるとはどうなってんだおれ。
ナギ平原自体はゲーム内でも主にナギ節という単語の説明とミニゲームだけなんでさっくり終わる。
ただしいつの間にかヨウジンボウは獲得していることになっていた。まあいいのか。他の召喚獣も特に契約場面なかったし。
ズーク先生去ったらさくっとガガゼト山。
ケルク=ロンゾ老師との話もさくっと終わり、キマリと金銀兄弟の戦い。
ここでキマリの見栄がかっちり決まる。ロンゾ属と隈取りの相性ってええんやな。
山を登るとシーモア様登場。本来ならロンゾはここでやられているのだけど、
しっかりとロンゾの見せ場を残してくれた…がナイフで刺されてロンゾ死す。マジかw
シーモアとはここでも戦わず、ロンゾが命と山と引き換えにティーダ達を逃がしてくれるということに。
ここでジェクトがシンであることをカミングアウト。
場面変わって、ガガゼト中腹の祈り子:安置所。
いや、安置所とは言われない。
幕が上がって流れ出すのは祈りの歌…ではない、これは祈りの歌の縦読み部分じゃん!
いえ ゆい | はさ
のぼ めの | てか
れん みり | なえ
よじゅ よご | くた
| まえ
本邦初公開の歌、サントラ発売してくれええええ!!!
祈りの歌がおわってそのままザナルカンド舞踊。この辺言葉で解説しづらい。とても良いんだけどまったく原作にない場面。
そのまま最初の祈り子君とティーダとの夢会話。
ここで祈り子(とティーダの子供時代)演じているのが尾上丑五郎君、菊之助さんの息子なんだけど、上手。
いやまあ上手じゃなきゃお金とって客呼べないよは当たり前なんだけどね、まだ10歳よ?うちの子より若いのにこの完成度。
歌舞伎の世界こええってちょっと思ったくらいだ。
祈り子がザナルカンドが皆の夢であるとティーダに告げていよいよ物語は佳境。
ゲーム中でもここからエボンドームまでの展開は本当に怒濤だったと思う。
本編ではてっぺんでアーロンの「ただの若造だ」と、下山中のリュックとのやりとりがあるんだけど、こちらではカット。
それはそれで期待してたので残念。
場面変わってユウナのスフィア(の録画シーン)正直「ユウナの決意」って曲だけで涙腺が緩む。
ここのユウナは本当にユウナしててどうなってんだ?って思いつつも感動している自分がいた。
個人的には歌舞伎全編通して3本指に入るシーン。
スフィアが終わるとザナルカンド、というかオープニングのシーン。
ゲームやってるときは、ここにくるまでにこれほどのドラマがあって、こうなのか、ととても感心したんだけど
FFX未経験の方にはどう映ったのかな。
最初はタイムリープ物かと思わせておいて、しっかり使命を確認するにつけ、これは現実であり夢であり、そして夢を終わらせに行く。
BGMが「夢の終わり」に切りかわってエボンドームへ進むんだけどさすがにそれはやらず、
場面転換してエボンドームへ。
これどうやって演出するのかなーと思ってたけど、普通にスモークを焚いて幻光虫が演じているという体で人間が演じていた。
シーモアのモノローグはずっとずっと肉付けがなされていて、
ジスカルがどういう判断でシーモアを遠ざけ、母親がいかなる方法を使ってもシーモアに力を与えたく、
そしてその思いはまったくシーモアに届かず、シーモアはシンになるという野望を増幅させるという形になっていた。
続いてジェクトが祈り子になる一連の話。
細々した幻光虫エピソードは重要な部分のみに絞っているようだ。
一点もの凄く不服な点があって、中村獅童さんのアーロンは終始ジェクトに歩み寄らない、
怒ってばかりのアーロンなのだが、まあこれはジェクトのスフィアが出てこないから歩み寄る過程もないので仕方ないのかもしれない。
問題だと思った部分は、ジェクトが「無限の可能性に賭けてみっかー」のところ。
止められなかったアーロンががっくりうなだれるトコロなんだが、
歌舞伎のほうでは「無茶苦茶だー」とアーロンがキレちらかしてハケてしまう。うそん。
いくらなんでもそりゃないやろと、これ単純に仲悪いやつやん。どこで仲直りしてジェクトとの約束を果たすの?
ここだけは本当に意味わかんなかった。うーむ。
幻光虫イベントがおわり、究極召喚をどうにかうやむやにしてユウナレスカに話聞こうってところでユウナレスカ登場。
中村志のぶさんの完成度がすごい。
ゲーム内とは違って最初から第二形態みたいなおっかなさだけど。
アーロンのモノローグは入らず、というか現実の本人がいるからやりようがない。
10年前に同じ事がありましたね、とユウナレスカが補足する形になっている。
戦闘…はとりあえず第二形態になったりはなく普通に戦って終わり。Other Worldが流れるのはかなり違和感だったけど。
戦闘後はアーロンが死人であるという告白タイム。
10年前の話はユウナレスカに聞かされる体のためかどうかはわからんが、アーロンから話すではなくティーダが聞く形になってた。
ここって実はアーロンが死んでいました結構びっくりシーンになるはずなんだけど、直前の盛り上がりがデカすぎて普通にドラマが進行していた。
アーロンの過去を垣間見て、飛空艇。いよいよシンと対決へ。
出撃前の飛空艇でアーロンのキレキャラがなくなってリュックにデレたり、ワッカが素直に詫びいれたりなど
原作と違ったドラマが一番面白いのここだったかも。
結局シンを止める方法がわからんのでベベルに話を聞きに行く。
ベベルに着くと兵士達から成敗されかかるが、そこにシェリンダが出てきて事なきを得る。
ここで原作も、歌舞伎も両方シェリンダは「監督官殿」と呼ばれて以後そのようにしか呼ばれないんだけど、
そういえば自己紹介はずっと序盤だったのでカットされちゃうとこの人がシェリンダかどうかわかんなくなるんだよなあ、と思いながら見てた。
シェリンダとお話して祈り子様のところにいく途中に…なぜかシーモア様がいる。なぜなんだー。
まあでも老師だからいてもおかしくはないのか。ゲームの中ではシンの中に突然いらしたので、
寺院の中に居るのがむしろ自然かもしれん。おかしいけど。一応第三形態っぽい。
シーモア様を異界送りにし、マイカに話を聞いて、祈り子に話を聞いて、ようやく黒幕がエボン=ジュということがわかる。
シェリンダに歌のことを託して、飛空艇からさくっとシンの体内へ。
シーモア様は倒されているのでダイレクトにジェクトのトコロまでいっている、まあ展開が早くて助かる。
「おせえぞ、アーロン」
「すまん!」
聞いた当初は違和感あったんだけど、キレアーロンのままだったらぶっきらぼうに言うのが正しいのか。
それはそれで言外の無念が伝わってくる。
ティーダとジェクト、劇中初の会話。
このシーンも涙無しにはみられんところなんだけど、時政さんのおかげでそこまで深刻な感じにはならず…これでいいのか?
彌十郎さんに湿っぽいイメージが全然つかないのでいいのか。
話終わってジェクトとの戦闘。ゲーム内は究極召喚にふさわしい偉容になったわけだけど、もちろんそんなギミックも着ぐるみもなく
普通に人間同士バトルになる。
剣戟が始まって暫く経つと、子供時代のティーダがあらわれて、ジェクトと遊ぶ。BGMは「ザナルカンドにて」
原作にはまったくなかったシーンだが、ここがとてもよかった、とてつもなく良かった。
スクショ貼りようがないんだけど、ともかくよかった。
ティーダもジェクトも、そしてシンも幻光虫の産物…という世界設定の説明はなかった気がするが、
幻光虫という都合の良いメカニズムで、人間が思った事は概ね現実化するという設定がある。(大分端折った説明)
なのでまあ子供時代のティーダが召喚されることも、劇中劇が起こることもジェクトが巨大化しないことも全部アリということになる。
ナニワブシが日本的な醍醐味といえばその通りなんだけど、ジェクトがティーダを愛した描写があるなば、ティーダもまたジェクトを愛していたということを
かなり直接的に表現してくれて、素晴らしき場面だった。
ジェクトが倒され、エボン=ジュと最終決戦。
スクリーンにエボン=ジュが映し出される…のはよかったんだけど、エボン=ジュ喋るし!
んー、これは正直喋らなくて良かったんじゃあ無いかとはおもうんだけども、
しかしそうだな、これでエボン=ジュが喋ってくれないと顧客満足度が得られないか、FFXやってない人が「黒幕なんだったの?」となることうけあいだ。
こんな形のがふよふよしている、れっきとした召喚士だった存在なんだけど今はザナルカンドを召喚し続ける存在になっちゃっているので、
人間の姿をしていない、らしい。自分自身を召喚することは考えなかったのか。
召喚獣が居る限り、エボン=ジュはそれを依り代というか鎧として装着し続けるので、
全ての召喚獣を鎧にさせ、倒しきればこの物語は終わる、という寸法。
というわけで召喚開始。ゲーム中では一体ずつ選択して召喚し、倒したら次…となるのだけど(そして周回プレイで一番ダルい部分だ)
さすがは広い舞台を有する歌舞伎なだけあって、一遍に全部召喚してしまう。
召喚獣、全員獅子の頭。ヨウジンボウに関しては本気で違和感なかったw
義太夫に併せて召喚獣との戦闘。戦闘そのものより義太夫に聞き応えがある。やっぱりサントラほしい、ってかサントラにこれ入るとおもえんのだが、
イクシオン登場でリュックが雷ダメな設定が活きる。ここまで引っ張っちゃったか、やむを得ない。
三味線に合わせた長唄で「ダイヤモンドダストー」とか言ってるの。でも聞けてしまう。おそるべし。
なおメーガス三姉妹とアニマはいない。話の上で必須の召喚獣だけ出したのか。
するとユウナ以外が1vs1できる、数的にちょうどよかった。
この召喚獣戦はどちらかというとミュージカルだ。
召喚獣に対する戦闘と異界送りとが一遍に実現出来てしまっていた。良き。
召喚獣を送りきれば必然的にエボン=ジュも依り代を失って消滅、ということでそのままエンディングに続く。
まずはアーロンが送られる。獅童さんお疲れ様でした。
そのあとはスクリーンに映像で、ザナルカンドの民がどんどん送られていく様子。
そして消えていくティーダ。
ここは映像表現ができないのでユウナの空振りという形にせざるを得ない感じだった。
ティーダは消え、ジェクトとハイタッチして幕。
ラストはユウナの演説、そして
…なんだけど、最後幕が開いてティーダが出てきちゃうんだよなあ。いやまあこれも商業的に仕方が無いんだけど、そういう話と思われたらシャクなんだよ…。
-全体を通して-
やはり歌舞伎、伝統芸能だけあっていかなる素材でもきちんと見世物にし、出来てしまっているところは本当にさすが。
ただし歌舞伎の特性と言ってもいいと思うンだが、やはり見る側にも一定のスキルが要求されることは否めない。
スキル差埋めるためにやっぱりイヤホンはあったほうがいいんじゃないかとは思うんだけど、まあ芝居小屋ではないのでやむを得ないか。
FFXが素晴らしいと思えている人は観てしかるべきだし、絶対に損はしないと思う。
ゲームの中だけで見せられている物に対して一定の新鮮な解釈が与えられることうけあいだ。
最後に、役者の方々本当にお疲れ様でした。
これほどの演し物をこのタイミングで観ることができて本当によかった。
これを書いている間に公演が終わってしまってもうこれ出す意味あんの?みたいなエントリになってしまったが、
そもそもが自分の感想整理目的だったのでまあ良かろうよ。
次の新作歌舞伎も見に行こう、きっと見に行こう。
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