アナログゲーム療育講座にいってきた(入門編:3周目)

久々に書くことになる、というのもこの講座はタイトルにもあるとおり3周目で、
もうすでに完走したし、それ含めて2週したからいんじゃねか、ということでしばしお休みしていた。

この一年はミスターがわりと勝敗にシビアになったためか、ボドゲからは足が遠のき気味になり、
代わって自分のゲーム会やハピスポひろば2019、それこから発生した子供向け、
障がい者向けのゲーム会などを開いてきて、現場で感じた事をもう一度見返すために3周目の受講を決めたわけである。
レジュメがわりと大幅に変わっていることも大きい。

てなわけで3周目の第一話は入門編。今まで無かった話だ。
こちらはアナログゲーム療育がどんなものかの紹介。
一言で療育といってもほぼ一生付き合う話になるのでそれを段階別に分けて
お出しする教材もその場その場で変えていきます、というのは今までもあったが
それをダイジェストで紹介する場は確かに無かった。良い試みだと思う。
今回からステージ、という言い方はナシになったそうで、各段階毎にという分け方になっていた。
カテゴライズはほぼ従来通りだと思う。

今回の話ではアナログゲーム療育の目的、優位性、ポイントについて。
丁度直前に寄ったkurumariでも上野さんとそー言う話してた。
上野さんが、そして俺もポイントにしている
「ワンステップアップ」したボードゲームの展開。
誰かと一緒ならできる、最近接発達領域に入っているボードゲームの出し方をお浚い。
講義の中ではまた、「段階の引き上げだけを狙わない」ということもちゃんと言い含められていた。
そうなんだよ。子供がゲーム出来るようになると、というかできなかったことが出来るようになると
ついつい相手のペースを見ずにいろいろ出しがちになる。
ゲームでも、スキーでもあり得たことなのでここは気をつけないといかん。

とダイジェストの話が終わったところで実際の発達段階に併せた話とゲーム。

●虹色のヘビ

乳幼児期でシンボル機能の獲得が出来たら今度は幼児期編として言葉や数の世界を広げる。
そのための入門編として最適なゲームということで紹介。もちろん持ってるし、
未就学児が入るゲーム会ではまず持っていくし、実際にお出しする。
ところでこのゲーム、正式なルールと思っていた部分で

・場に出した蛇(の胴体)同士は繋がらないが、自分の出したカードによって未完成の蛇が完成するときだけ場に出ている蛇を繋ぐことができる。

でいんじゃよね?
胴体同士を繋いでいるのが気になってしまったもので。
(大人同士だからの話で子供が繋いだときは問答無用でOKにしてるけど)
経験上このゲームは好きになる子とならない子がわりとハッキリ分かれてたなー。
と思ったんだけど、このゲーム出すタイミングって大体他のゲーム出したあとなので
もしかしてコンポーネント比較で蛇より別のゲームの方が面白そうってことになってたりするのかな。
週末子供ゲーム会でちょっと検証したい。
概念理解と大小関係の話は実は幼児期の話なんだけど、
勝敗を単なる大小に当て嵌めてしまうのではなく他者との関係性を調整するきっかけにすべきだと、
この辺ミスターに再度教えなくちゃいかんな。俺自身も勝敗というものについて
もう少し上手に語れるようになる必要がある、再確認。

●ワイルドバイキング

学童編の話開始。
お初なゲーム。各自手札を6枚持つ。種類は赤青黄色ワイルドの4色。
ダイスを振って出た目の色の海賊船に宝石を置く。
ダイスの出目が黒だった場合はどの海賊船に宝石を置いても良く、
村の出目だった場合は村に最も近い海賊船が寄港し、宝石を村に置いて海賊船列の一番後ろに並ぶ。
村に宝石が置かれると競りスタート。
村の出目を出した人から海賊船と同じ色のカードを好きな枚数場に出して、
一番出した人が宝石を獲得。宝石を獲得した人は手札を捨て札にし、他の人は出したカードを手札に回収する。
出目にはもう一つカード補給の出目があり、獲得手段はここだけ。
宝石が置けなくなったらゲームエンド。宝石を一番持っている人が勝利。
このゲームでは先の見通しが持てるかどうか、
そして相手の手札を見ることで他者視点の獲得ができているかどうかを見ることができる。
場に居た人は虹色のヘビを直前にやってたから一気にグレードアップした印象を受けたんじゃないかな。
このレベルのゲームになると大人がやっても普通に楽しいし、
このゲームの偉いところはわりと仕込みが簡単なところだと思う。
掴みのインパクトよりも繰り返しできる道具としてはかなりいいんじゃないかな。
ミスターは短期記憶がイマイチなので繰り返しやらんと強くならなそうだけど。
と思っていたらこちらだけ今在庫がないと、残念!

●HANABI

中高生編の話。
状況に合わせた臨機応変なコミュニケーション能力の獲得、なんだけど
ここまでくると普通に大人でも、みたいな話になっている。
出てきたゲームはHANABI。ドイツゲーム大賞ゲームなわりに俺が手出してないヤーツ。
1-5で5色ある花火カードを場に出して出来るだけ沢山1-5のカードが出る(=花火を打ち上げる)ように頑張るゲーム。
レインボーは抜いてプレイ。
最初はゲームの紹介のためカード表面見ながらを手札に持って3ターンほどプレイ。
そこから正式ルール(カードの裏面しか見てはいけない。)でプレイ。
正直難しいと思う。
何がってHANABIというゲームそのものの妙がわかるまでにまず時間がかかるので。
ワイルドバイキングからまた随分とグレードアップして皆さんより驚いたのではないかな。
大人がやっても選択肢が多すぎて迷うんですよこのゲーム。
これはまた入門なのにすごいの出てきたな、と思っていたら松本先生も「現場で出すことは実はあまりありません」と。
確かに。ハマればハマるけど。面白いんだけど。なんつーか諸刃の剣。でも絵的に良いんだよなあ。達成感的にも。
コミュニケーションを円滑にするための仮説演繹思考を育んでくれるゲームは他にもいろいろある、
というかそういう意味だとごいたもまたお奨め。絵面は地味だがw

まとめは最近接発達領域のおさらいと、学びと楽しさは両立できる、というお話。大いに同意。
学びと楽しさが相反する場合、相反せずとも両立できない場合は適切な課題を設定できなかった場合とおっしゃっていたが、
加えてもう一つ、適切な出し方、というのもあるかなと。
きちんと面白いゲームを面白く出すってのはある程度の技術がいるなというのをこのところ痛感している。
ゲームの魅力を引き出すってのはきちんとゲームを遊び、楽しむこと。んなこと当たり前って思うじゃん?
その当たり前が困難な人って世の中に案外沢山いるってことをこの一年思い知った。
逆もまたしかりで、シニチロさんとやった●●は面白かったけど自分で買ってやってみたら
思ったほど面白くなかったみたいな感想をいただくと、
ゲームを楽しむための、楽しんでもらうための妙については節々で説明しなきゃな、とも思う。
アナログゲームにどっぷりつかってきたが故の慣れによる面白さアプローチの見落とし、気をつけねば。

次回は2月、幼児編。

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